東西医学結合治療 
谷博士の指導に従って、ルーマニア幼児エイズ救済基金が援助して提供した生薬 (CBS,ASTOL) は、近年製造販売されている化学薬品とは、どのように作用しあうものだろうか? また、これまで主流であった HIV逆転写酵素阻害剤と新たに登場したプロテアーゼ阻害剤などとの関係はどのように考えたらよいものだろうか?
この点について谷博士の意見は次のようである。
- 一般に化学薬品と生薬とは配合の禁忌は殆ど問題とされない。ルーマニアの治療に於いてAZTとCBSやASTOLとの併用で、悪影響は認められていないし、日常診察においても通常悪い反応はみとめられていない。ただし、生薬の効果は腸内細菌叢に影響されるものがあり、抗生物質などで、生薬に関係する細菌叢に変化が起これば、生薬の効果に影響がでることはあり得る。
- 生薬と抗HIV化学薬品とは併用すべきかどうかはケース・バイ・ケースではあるが、一般に軽症の場合は、生薬のみの治療で経過を見ることで十分である。この時点で化学薬品を使うと、その副作用と、ウィルスが薬剤耐性を持つことによるマイナス面の方が大きい。私共も一連の治療でもパイロットスタデイ(1992年)でAZTとの併用をすることが単独投与より必ずしもより良好だ、との結果は得ていない。進行の速いもの、重症例には併用が好ましい場合もあると考えられる。ただし、最近話題となっているプロテアーゼ阻害剤や逆転写酵素阻害剤でも、その作用機点から考えて、副作用やHIVの薬剤耐性獲得など憂慮すべき点は依然として多い、ということに留意しておかなければならない。
結論:最も勧められる治療
以下は谷博士が過去の経験からもっとも勧める治療の基本方針である。
- 無症状キャリアー及び軽症発症者は生薬治療のみとする。特に無症状キャリアーでは生薬治療で発症を大幅に遅らせる効果が十分期待できる。また、博士の推賞する食事療法と併用するとさらに有効と思われる。
- 発症者、すなわちARC段階又はCD4数が200以下〜80以上の病人には基本的に生薬を継続服用し抗HIV剤や、抗生剤など必要な現代医学的処置を適宜行うこと。また、免疫は精神状態に強く影響される故、常によいリラックスした精神状態を保つよう自及び他の管理に心掛けること。食事治療が最も有効な時期と思える。
- 重症者には、生薬(CBS,ASTOL) の継続投与はもとより必要な抗HIV剤の複数併用も必要となる。しかしこういった化学薬品による副作用が強い場合、適宜に投与量を加減することも考慮されるべきである。回復力の保全と改善に最も心配りが必要な時期である。
従って、全病期を通してCBSとASTOLの服用は有益であり、その投与期間が長いほど有利である。今のところ服用によるマイナス面は見あたらないし、化学薬品との併用も殆ど問題はないと思われる。
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